2020年2月17日月曜日

今日のランチ(2020.2.17)

ごはん(しそ味ひじき)・サケ塩焼・五目きんぴら・ちゃんぽんスープ・牛乳・シュークリーム

0217

 

 

 私は今日のちゃんぽんスープが生まれた長崎を知らない。それは場所などの知識ではなく、行ったことが無いため体感として知らないということだ。そこに流れる空気や香り、人々に出会っていない。だから知らない。断片的な歴史や地理の知識も、ある程度の想像を含んでいて、知ったつもりになっていることも多々あるだろう。それを知っているとは言い切れないのだ。

 では私は何を知っているのだろう?この目の前にあるちゃんぽんの美味なるスープの成分は何か。この乳白色の正体は何か。どんな経緯で生まれたのか。そしてこれを食べている私は、私を知っているのだろうか。自分のことは自分が一番知っているというけれど、他人から見た自分を知ることは絶対にできない。ビデオで録画した自分の映像を、自分の脳を介して見る限り、完全な客観視は不可能だ。じゃあ、私とはいったい何?

 そんなことを考える間に、スープが冷めてしまう。ゆっくり啜り、あたたかさが食道を通って胃に満ちた。知らないスープを飲む知らない私。そこにあらわれるのは、いつもと変わらない知っている美味しさだった。

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