炊き込みごはん・サバ西京焼・小松菜おかか和え・きりたんぽ汁・牛乳・アップルパイ
きりたんぽは、完全食だと思っている。
肉も、米も、野菜も入っていて、そこに熱々のスープが調和する。この一杯で全てが満たされる、そんな完全無欠の料理だ。
そしてきりたんぽは、郷土性を強く意識させられる。これを飲むとイメージされるのは、鉛色の空と冷たく吹きぬける風。田舎の田んぼと曲がりくねった道である。茅葺の屋根は茶色く、どこからか動物の鳴き声が聞こえる。私自身の故郷では全く無いのだが、一瞬そこが原風景であるかのような錯覚を覚えさせる、それがきりたんぽだ。
いい意味での土くささ。それが抜けきった灰汁の無い都会もいいが、でも心のどこかでそんな風景を探しているのかもしれない。汁を飲んでいると労作終わりの生徒たちが外を歩いている。今時珍しい、土くさく、自然の力を身体に蓄えた、泥に咲く蓮の花たる高校生たちだ。
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