2019年9月9日月曜日

今日のランチ(2019.9.6)

ごはん(しそ味ひじき)・厚焼玉子・切干大根煮・ちゃんぽんスープ・牛乳・冷凍みかん

0906

 

 

 冷凍みかんを見ると、昭和の時代「急行佐渡」で横浜のいとこ宅へ遊びに行ったことを思い出す。新潟駅のプラットフォームにあるキオスクで赤いネットに入れた冷凍みかんをおやつ代わりに買ってもらい、長旅の道中に食べるのである。「今回は踏切の数を全部数える」「全ての停車駅を暗記する」などいいながら、途中で寝オチするのが常であった。

 

 当時5時間半近くかかった所要時間、今では新幹線で2時間弱。冷凍みかんを見ることは無いし、ゆっくりと味わう暇も無い。車内ではPCを打つ乾いた音が聞こえてくる(そのためのコンセントが付いた車両もある)。トンネルも多く、車窓から眺める風景を楽しむと言うより、移動手段としての速達性が強く求められる時代になったのだと強く感じる。

 

 今の高校はただの移動手段となっていないだろうか。上級学校へ進学するためだけの手段。ノウハウと知識を詰め込むためだけの授業。進学実績を校舎の壁面に掲げ、合計○○名の中に埋もれて行く生徒たち。学校というのっぺりとしたとらえどころの無いものはぼんやり見えても、個々の生徒の表情や、日々営まれるそれぞれの物語は全く見えてこない。

 

 勉強以外に思い出作りもせよ、というのではない。人間が生き、日々の営みがある以上、そこには物語があり、それを紡いでいくのも学校の大切な仕事なのではないかと思うのだ。新幹線のようなスピードでは、糸が切れてしまうかもしれない。切れないように、じっくり生徒の話を紡ぐように聞き取っていく。そんな教育を後期も展開できたらと思う。

(S・K)