ごはん(ふりかけ)・牛肉コロッケ・キャベツサラダ・味噌汁・牛乳・グレープフルーツ
本来ならば、今日の午後は柔道大会が開かれる予定であった。しかし、この時世の中で開かれるわけがない。そもそも、まん延防止期間に入ってから体育で柔道を行っていない。競技の特性から、マスクをしていてもすぐに外れてしまう。その中、息をあげながら組み合う。互いの飛沫をばっちり吸い込んでしまう。最も不適合な競技と言っても過言ではない。
先日、車を走らせていると、雪の中、丸坊主にした体格のいい中学生が集団で走っていた。間違いなく柔道部だ。道場で練習するのを許されず、ああして柔道選手が一番苦手なランニングトレーニングを毎日しているのだろう。練習時間が平日の90分と限定されるものの、柔道着を着ないで毎日トレーニングばかりする期間が1か月も続くと考えれば、かわいそうでならない。土日が休みになったとしても、彼らにとってこの期間は苦痛でならないはずだ。いったいいつまでこれは続くのか?終わりの見えない不安といら立ちはつのるばかりだ。
先日、10年ぶりぐらいに美容室なるものに行った。私の髪は今、人生で一番伸びている。1年ほど前までは、バリカンで自分で刈っていた。使っていたバリカンが壊れてしまってから、よくある安いカット屋さんで切ってもらっていた。コミショーな私にとって一番都合のいい店であった。長さを指定し、シャンプーをするか否かを告げれば、それから会話を交わすことがない。そして5分もあれば終了だ。
しかし、そろそろ年も年。ちゃんと美容室に行って髪ぐらい整えれば、見た目がちょっとはよくなり、街で職務質問に会うこともなくなるはず。思い切って10年ほど前に行ったきりの妻の行きつけの美容室に予約した。何よりの不安は美容室の店員さんとの会話だ。しかし、担当してくれる店員さんを見てその不安は一気に払しょくされた。10年も前に行ったときにいた見習いだった彼は、まだ同じ場所に勤めていたのだ。驚きとうれしさでいっぱいになった。39回生として敬和を卒業した彼と当時の思い出話で会話ははずみ、あっという間に時間が過ぎた。寮務教師であったが、週に4時間体育の時間、主に柔道で直接彼と接していた。当時から、柔道の授業は大盛り上がりであったのを思い出した。「体育の柔道が楽しみでそのために学校に行ってた」と発した彼が、当時どんな生徒であったかは想像を膨らませるだろう。そんな彼がひとつの場所で、いろんな苦難を乗り越え、スタイリストとして腕を磨いた事実が何よりもうれしい。
「忍耐は練達を練達は希望を」(ローマ信徒への手紙5章)耐え忍び、腕を磨き、自分の希望を実現させ、まだまだこれから活躍していくだろう。そういう卒業生を一人でも多く出したい。送る会を前にして、敬和教育の賜物を垣間見えるひと時であった。そして次も私はスタイリストに髪をセットしてもらう。なんだかセレブだ。
(S.M)