ドライカレー・野菜サラダ・玉子スープ・牛乳・フルーツゼリー
以前も書いたことがあるのだが、前任校を10年務めて退職し敬和に拾ってもらった時の事。転勤直後にいきなり担任を命ぜられた学年は33回生だった。なんでも、前年某TV番組(ダーツが刺さったところに取材に行くやつ)で「ランチダッシュ」が全国放送された結果多くの出願があり、定員を上回る合格者が出た年だと聞いた。
「少人数教育」を特色とする敬和だが、この時は選択授業でも30名を超える教室もあり目が届かない部分もあった。その代わり、学年全体に勢いがあり、いい意味でも悪い意味でも毎日がビックイベントの連続だったように思う。北は北海道、南は沖縄と全国から生徒が集った学年だった。
その生徒の勢いにこちらも後押しされ、部活動で使うからと中古のマイクロバスを購入した。当時は、遅バスが限定的な運行だったからである。また、夏休みに入ると寮がすぐ閉まるため、寮の空き部屋をお借りしてサッカー部の生徒と10泊11日したこともあった。夏の大会に出るためとはいえ、今考えると無茶苦茶だ。
この生徒の勢い、物おじしない発信力、自分と異なるものを排除しない包容力、学びへの貪欲さは、私を変えてくれたように思う。教師という殻を破り、一人の人間として生徒の前に立つことを意識するようになったからである。卒業パンフレットを見ると、ルーズソックスや太いズボンに時代を感じるが、今でもその勢いは伝わってくる。生徒から学ぶ。彼らには感謝しかない。
(S・K)