麻婆丼・春雨サラダ・中華スープ・牛乳・杏仁豆腐
「道路脇に並ぶ電信柱を次の目標として、苦手な持久走を乗り切った。スモールステップで少しずつ」こんなお話を小学生の時に読んだ。なぜか、いまだに頭の中に挿絵付きで残っている。大きな壁を目の前にして「くそぅ、こんなことだったら途方に暮れてやる!」と意気込んだタイミングで、いつもこの電信柱の話がぽわーんと浮かんでくるのだ。残念。このお話を思い出したら、途方になんて暮れてられなくなってしまう。「また君か」そう思いながら、なんとか達成できそうな小さな小さな目標を探す。
それが効かないことがあった。大きな荷物を背負い、中国の大草原を一週間かけて、ただただ歩き続けた中学1年生の夏休み。中国の大草原はもう規模が違う。地平線ってやつに向かって歩いていても進んでいる感覚が全くない。目標を見つけようにも、視界に入るのは緑の草原と青い空。雲は動いちゃうし、草を目標にしても、もうどれが自分の目指していたものだか分からなくなっちゃうし。自分自身の変化を確認するには、変わらずにいてくれる指針となるまわりの存在が必要なのだと思った。
今日のランチは麻婆豆腐。食べるたびに中国でのあの挑戦を思い出す。とでも続けば話のまとまりはよいのだろうけど、残念ながら麻婆豆腐なんていう手の込んだごはんを頂いた記憶はない。だがしかし。だがしかしです。ランチを目標に、毎日の学校生活を送ることができる私たちは幸せ者なのです、はい。というお話。
(M.A)