2021年2月25日木曜日

今日のランチ(2021.2.25)

青しそごはん・サケチーズフライ・小松菜和え・豆乳スープ・牛乳・ミニタルト

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 総務省の調査で新潟市が全国首位なのは

「豚肉」、「さや豆(枝豆)」、「酒」、そして「塩鮭」の購入費である。

 新潟市民は全国で1番、鮭を食べている。

 

 新潟にいると弁当の中や食卓の上、レストランのメニューに鮭がいるのは、まあまあ当たり前だが、県外、とくに西日本では、そんなに鮭を食べる機会がない。

 なにより、あったとしても鮭の切り身は、やけに小さく、しかも、ひどくしょっぱい。

 

 新潟市に生まれ、阿賀野川を見て育ったものとしては、

 新潟市が鮭で全国1位というのは、まあ、これは納得がいく。

 

 秋が深まるころに、あの巨大な阿賀野川に網が張られる。

キーンと冷たい朝の空気の中、一人乗りの船外機が、波一つない川面にV字の波を描きながら網に向かって進む。

 高校の3年間、毎朝、それを橋の上から見て通学していた。

「この川には鮭がいる。」「この川には鮭が戻ってくるのだ」

 そう思うとなんだか誇らしかった。

 

 松浜や葛塚の市には丸々と太った鮭が塩にまみれて木箱に入って並んでいた。

「鮭のショッパイの」は、子供だった私には辛くて、「甘塩のにしてね」と何度もばあちゃんに念押しした。

 そういえば、子供の頃、うちの洗濯小屋には竹棒で腹を開いた塩引き鮭がぶら下がっていて、食卓に並ぶたび、身が削り取られていった。そして、とうとう頭だけになると、鮭のアタマは大根のぶつ切りとともに煮られ、ガラ汁なった。

 

 魚沼の、ある小さな川に、鮭が、ぼろぼろになりながら必死になってのぼっているのを見たことがある。

 海からこんなに遠くまで頑張ってきたのね。

 そんなに、こんな小さなコンクリートの川が懐かしくて、必死にのぼってきたのね、と思うと、せつなく、いとおしく思った。

 

 先日見たシェフの休日ご飯を紹介する番組で、新潟の見附出身のシェフが出演していた。

 休日の朝、彼女は「米と味噌は絶対新潟。いつも取り寄せている」と語りながら、その手先では鮭の大きな切り身を焼いていた。

 

 新潟の人には、鮭は特別な魚かもしれない。

 日常すぎるけど、誰にでも、なにかしら思い入れのある特別な、鮭。

(M.I)