バターロール・ビーフシチュー・チーズサラダ・牛乳・フルーツゼリー
最近、私事で手紙を認(したた)める機会が数回あった。そのため便箋と封筒を新たに買い求め、万年筆にインクを補充、机上を整理してから書き始めた。いずれの方も、ずいぶんご無沙汰していたり、遠方にお住まいなので、メールやSNSでは無作法だと考えたからである。
投函した後、そろそろお手元に届いただろうか? それともまだだろうか?ご返事は頂けるだろうか? あの文面ではこちらの意図が伝わらなかっただろうか? などとあれこれ考えていた。しばらくして、ご返事を頂戴した時の喜びと、開封し読了した後の充足感は手紙でなくては味わえないものだった。
メールやSNSと比べなどというつもりはない。それぞれの得意分野があるからだ。利便性、速達性ならメール。また、反応の速さや量が一目で分かるのはSNSの十八番である。しかし、道具や周囲の環境を整え気持ちも整える、返事をいただくまで悠然と待つぜいたくな時間は手紙でしか得られない喜びだ。
自宅学習期間に入った3年生(52回生)から、聖書にメッセージを書いてください、と求められる。部活動の先輩へ色紙を送るので先生も書いてください、と言われる季節になった。失敗続きの私に、人生訓など語るべくもないが、せめて、手紙と同じように筆記用具を選び、机上を整え気持ちを整え、十分に時間をかけて書こうと思う。
(S・K)