炊き込みごはん・鶏から揚げ・小松菜ソテー・にら玉スープ・牛乳・シュークリーム
3限目の終了のチャイムが鳴って急いでランチに向かう。そこ出会う数名の3年生たち。彼らも急いでランチへ向かう。火曜日のその時間に出会う3年生の男子生徒に「今日の体育は?」いつも聞かれていた。うれしいことに、座学の授業の終わりを今かと待ってランチに急いで向かってくる彼らは、座学よりも体育を楽しみにしてくれていた。「体育の授業だけが楽しみで……」そんな声さえ聞こえてきたことがある。まるで30年前の自分を見ているようである。彼らの授業は楽しかった。いつも笑顔であふれていた。思わず一緒に混じってサッカーをしたこともある。思い通りに動かない自分の身体に驚きながらも、めちゃくちゃ楽しかった。そんな彼らの授業が終わってしまった。明日で3年生は終業を迎える。そもそも体育の授業は見ているだけでも楽しい。目を輝かせ、息をあげてもボールを追いかける。実に楽しそうである。楽しそうにしている生徒を見ることはエネルギーを得られる。
同じような、空気がランチの時間に流れる。感染予防のアクリル板で区切られ、隣との距離はあけられてしまったが、それでも流れてくる空気を感じると幸せになれる。体育館で冷え切った体に、温かいスープを流すと五臓六腑が暖められる。久しぶりに食べた炊き込みご飯がなんともうまい。スープだけで炊き込みご飯を食べきった。おかわりは白いご飯。今日のメインは大人気のから揚げだ。副菜に小松菜のおひたしが添えられている。から揚げのこってり感の箸休めにちょうどいい。おかわりしたスープは温かい。黙食を求められている中でも、おいしいものを口にすると幸福感は感じる。誰しもが感じている幸せが、ランチホールを包む。
明日のランチは3年生ラストメニュー。何が出るかはまだわからない。3年間、数えきれない回数をここで食べたランチは高校生活の最高な思い出になるはずである。そんな思いを、次は保護者として自らの子に感じさせてくれる日がいつか来ることを信じたい。
(S.M)