ポークカレー・生野菜サラダ・コンソメスープ・牛乳・プリン
52回生が入学して2週間が経過した。入学直後のオリエンテーションキャンプ。翌週は不安と緊張の「ウエルカムデー」から始まって、今週は部活動の正式入部もあった。配膳の戸惑いがなくなり、おかわりもてらいなく並べるようになった。ただ少しだけ疲れているようだ。カレーを食べて週末はゆっくり休んでもらおう。
授業は2巡目に入り、教科担当者の顔と名前が一致し始める頃だ。なんとなく高校の学習が見えてきたと思う。敬和の授業、年度初めは進みが遅い。中学のおさらいや、それぞれの習熟度を見極めるのに時間を割くからだ。授業主体の生徒を真ん中に、教師が進度や範囲に追われないようになっている。
かつて「歩く学校」を標榜し今でも「自分探しの学校」を自負する敬和は、いわゆる受験対応の高速詰め込み教育をしていない。スピードが上がれば上がるほど、視野は狭くなる。歩きながら余所見はできるが、高速道路では致命傷だ。生徒のスピードを上げさせ、余所見を許さない教育が、自ら考える人を育てるだろうか。
新幹線のように早く進み、途中下車したら最後、次の列車は来ないような教育に傷ついた生徒は多い。「歩く」ようにゆっくりと、しかし自ら考えて「歩む」。そんな自立した人間を育てたい。ポークカレーのおかわりに並ぶ生徒を見ながら「ぼちぼちやろうか」と心の中で思う、新学期第2週目である。
(S・K)