ごはん(ふりかけ)・サバ西京焼・ほうれん草おひたし・味噌野菜スープ・牛乳・シュークリーム
もうすぐ夏休みだ。
夏休みといえば、大学時代の専攻学科の合宿を思い出す。
俺は、西洋古典文学という、古代ギリシア、ローマの文学を専攻していたが、毎年、夏休みには、長野県、穂高にあるK先生の別荘に大学生、大学院生が集まって一週間ほどの合宿をした。
西洋古典文学専攻の学生は少なく、大学生、大学院生を入れても5,6名だった。
三度の食事は学生が当番で作る。小麦粉から餃子の皮を作ったり、先輩秘伝のカレーを作ったり。それから別荘の庭掃除や洗濯をして、そのほかは一日中勉強した。
忘れられないのは、庭掃除をしているときに垣間見た、K先生の姿だ。
庭から先生の書斎が見えるのだが、先生は何時間も身動き一つせず、背中を丸めて文献に体を埋めるようにして勉強している。
古代ギリシアの世界が大好きなんだな。
勉強は、本来義務じゃなくて、楽しいもの、夢中になれるものなんだ。
その先生が語る古代ギリシアの世界は、無類に面白かった。むしろ退屈な文献から、これほど豊かに面白さを発見する先生の才能に感嘆せずにはいられなかった。
あんなに勉強したギリシア語は、今ではもうすっかり忘れてしまった。でも、どんなことからでも面白さを見つけることができる、という先生の教えは俺の55年の人生を豊かに導いてくれた。
若いときに、大好きなことに打ち込み、夢中で楽しんでいる大人と出会うべきだ。
人生は義務なんかじゃなく、楽しみなんだと教えてくれる大人と。
(これ、ランチレポートじゃないね。ごめんなさい。)
(T.H)